Japanese
English
展望
児童虐待—児童精神科の臨床から
Child Abuse As Viewed from Clinical Pediatric Psychiatry
岩田 泰子
1
Yasuko IWATA
1
1神奈川県立こども医療センター
1Department of Psychiatry, Kanagawa Children's Medical Center
キーワード:
Child abuse
,
Domestic violence
,
Symptom
,
Self image
,
Care and Treatment
Keyword:
Child abuse
,
Domestic violence
,
Symptom
,
Self image
,
Care and Treatment
pp.818-830
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902469
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はじめに
近年,児童虐待がそれと認識されるようになり,社会学や医学の分野でも取り上げられるようになった。わが国では取り組みが遅れているといわれているが,この数年は虐待件数の急激な増加が報告され,関係機関も認識を新たにし,新聞やテレビでも報道され,議会でも取り上げられるようになってきた。
虐待件数の急増は,虐待の実数の増加とともに,虐待の定義の範囲の拡大,認知発見度が高くなったことによると考えられる42)。都市部では児童相談所の一時保護所,乳児院,児童養護施設は被虐待児が入所児の多くを占め,満員に近いと聞く。保護した後の子どもや家族へのケアをどのようにするのか,虐待ケースへの対応はこれからの大きな課題であるとされている。
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