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特集 小児整形外科の最新知見
児童虐待
Child abuse
菊地 祐子
1
Yuko KIKUCHI
1
1東京都立小児総合医療センター,心理福祉科(児童精神科)
キーワード:
Child abuse
,
Child protection team
,
Medical neglect
Keyword:
Child abuse
,
Child protection team
,
Medical neglect
pp.61-66
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000745
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要旨:年々増加している児童虐待事案への対応において医療機関に課せられる役割は大きい。虐待は疑いの段階であっても,市区町村もしくは児童相談所への通告が法律で義務づけられており,その行為は守秘義務や個人情報保護に抵触しないと明記されている。児童虐待は再発率・致死率の高い重篤な小児の疾患群であり,見逃せば子どもの命を危険にさらすことになる。医療機関で児童虐待を見逃さないためには,医師個人でなく組織で対応するシステムを作ること,院内での教育や啓蒙活動を行うこと,地域の教育・福祉・保健・司法を担う関係機関と日頃より連携を行うこと,自施設で対応できないときに依頼できる医療機関同士のネットワークを構築することが重要である。虐待に遭う子どもが自らその受傷機転を語り,訴え出ることは不可能である。医学的な判断をもとに傷ついた子どもたちの代弁者たることは,医師に課された重大な責務なのである。
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