Japanese
English
短報
精神症状を呈した筋緊張性筋ジストロフィーの1例
A Case of Myotonic Muscular Dystrophy with Psychotic Disorders
寺島 康
1
,
小泉 準三
2
,
白石 博康
2
,
鈴木 利人
2
,
川上 倖司
3
Yasushi Terashima
1
,
Junzo Koizumi
2
,
Hiroyasu Shiraishi
2
,
Toshihito Suzuki
2
,
Koji Kawakami
3
1筑波大学附属病院精神神経科
2筑波大学臨床医学系(精神医学)
3国立水戸病院
1Neuro-psychiatric Service, The University of Tsukuba Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
3National Mito Hospital
キーワード:
Myotonic muscular dystrophy
,
Psychotic disorders
Keyword:
Myotonic muscular dystrophy
,
Psychotic disorders
pp.665-667
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903264
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■はじめに
筋緊張性筋ジストロフィーは1909年初めてSteinert9)らによって報告され,筋緊張,筋萎縮を主症状とし,常染色体優性遺伝性疾患で骨格筋のほかに内分泌系,心血管系,消化管系,神経系などに異常を来す疾患として知られている。1923年にAdieら1)が精神遅滞を伴った筋緊張性筋ジストロフィーを発表したのに始まり,Thomsen12)は本疾患99例中36例に精神遅滞,自発性減退,感情障害などの精神障害を伴っていたと報告し,現在では筋緊張性筋ジストロフィーの精神症状として精神遅滞,非協力的な性格傾向が認められるとされる4,5,8)が,幻覚,妄想などの精神症状を伴うとの報告も散見される2,7,13)。筆者らは幻覚,妄想などの精神分裂病様の症状が認められた本症の1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
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