Japanese
English
短報
アルツハイマー病患者に併発した悪性症候群の1例
Neuroleptic Malignant Syndrome in a Alzheimer's Disease Patient
須貝 佑一
1
,
長尾 佳子
2
,
竹中 星郎
1
Yuichi Sugai
1
,
Keiko Nagao
2
,
Hoshiro Takenaka
1
1浴風会病院精神科
2東京都立中部精神保健センター
1Department of Psychiatry Yokufuukai Geriatric Hospital
2Tokyo Metropolitan Comprehensive Mentalhealth Center
キーワード:
Alzheimer's disease
,
Malignant syndrome
,
Neuroleptica
,
Haloperidol
Keyword:
Alzheimer's disease
,
Malignant syndrome
,
Neuroleptica
,
Haloperidol
pp.661-663
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903263
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■はじめに
俳徊と暴力行為が頻回なため,少量のhaloperidolを使用した男性アルツハイマー病患者に流誕と微熱,発汗,嚥下困難,姿勢異常の増悪がみられ,約1週間持続した。生化学的検査より悪性症候群と考えられた。アルツハイマー病の経過は約6年で,すでに姿勢異常や言語崩壊もみられる病後期の段階で,臨床症状のみからは通常の錐体外路系の副作用と区別し難く,悪性症候群とは断定しにくい症例であった。痴呆患者の増加に伴い向精神薬を使用する機会も多くなっているものと推察されるが,痴呆患者に併発した悪性症候群の報告は意外に少ない。本症例のような軽症の病態が潜在していることも考えられ,症例を呈示して注意を喚起したい。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.