Japanese
English
研究と報告
眼瞼けいれんの発症要因と治療について
Etiological Factors and Treatment for the Blepharospasm
馬場 淳臣
1
,
鈴木 利人
2
,
白石 博康
3
,
小泉 準三
3
,
新井 哲明
1
,
熊谷 一弥
1
,
田中 芳郎
1
Atsuomi Baba
1
,
Toshihito Suzuki
2
,
Hiroyasu Shiraishi
3
,
Junzo Koizumi
3
,
Tetsuaki Arai
1
,
Kazuya Kumagai
1
,
Yoshiro Tanaka
1
1筑波大学附属病院精神神経科
2栗田病院
3筑波大学臨床医学系(精神医学)
1Neuro-psychiatric Service, University of Tsukuba Hospital
2Kurita Hospital
3Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
Blepharospasm
,
Etiological factors
Keyword:
Blepharospasm
,
Etiological factors
pp.961-966
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903113
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 眼瞼けいれんの2治療例を報告し現在明確にされていないその発症要因について考察した。症例1は50歳男性で,妻への不満や職場での仕事の不安などが誘因となって発症した心因性眼瞼けいれんと診断したが,本例では精神療法とtrihexyphenidylによる薬物療法の併用が著効を示した。症例2は58歳女性で,眼瞼けいれんに口周囲,舌,下顎などめ不随意運動を伴っていたことからblepharospasm-oromandibular dystoniaと診断した。症例2は従来器質性の眼瞼けいれんと考えられており,筆者らの症例もhaloperidolなどによる薬物療法が有効であったが,その発症や経過には娘の結婚問題などの心理的葛藤も関与していた。このような2症例にみられた眼瞼けいれんには,その発症,経過,治療,予後について心因と器質因の両要因が複雑に関与していた。したがって本症には,精神療法のみならず薬物療法を併用して治療することが重要であることが示唆された。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.