Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
当事者活動からみた病識とは何か
What is Clinical Insight from the Activities of the Parties Involved?
山田 悠平
1
Yuhei Yamada
1
1一般社団法人精神障害当事者会ポルケ
1Porque, the Organization of Persons with Psychosocial Disabilities, Tokyo, Japan
キーワード:
精神障害
,
psychosocial disabilities
,
リカバリー
,
recovery
,
共同創造
,
coproduction
,
障害者権利条約
,
Convention on the Rights of Persons with Disabilities
,
CRPD
,
ピアサポート
,
peer support
Keyword:
精神障害
,
psychosocial disabilities
,
リカバリー
,
recovery
,
共同創造
,
coproduction
,
障害者権利条約
,
Convention on the Rights of Persons with Disabilities
,
CRPD
,
ピアサポート
,
peer support
pp.755-760
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207304
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はじめに
病識は当事者会でも語られるキーワードのひとつである。しかし,その意味は一様ではない。「病識がなかなか持てなくて」と,どこか自省的に語る者もいれば,「医療従事者から“病識欠如”と断じられて実存を脅かされた」と語る者もいる。精神障害のある者にとって最も身近な社会的支援のひとつが精神科医療であるが,病識という言葉の捉え方と同じように,複雑な思いを抱えた者が多いのでないだろうか。その主な理由のひとつには,非自発的医療を制度として内包している精神医療保健福祉体制が構造的な問題をもたらしていると言えるだろう。一方で,非自発的医療を容認するに足る医学的な正当性や社会からの要請が制度として盤石さを与えているとも言えるのではないか。つまり,精神科医療における病識の有無をめぐって臨床で起きている個別具体的な事象のあり方とは別にして,病識という考え方そのものがある意味では制度の根幹になっていることに注目をしたい。本稿では,当事者活動からみた病識をめぐっての具体的な事象と社会的な文脈から考察を試みたい。
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