Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
精神障害の気づきと病識を育む
Rearing Awareness and Insight of Psychiatric Disorder
池淵 恵美
1,2
Emi Ikebuchi
1,2
1神経科土田病院
2ひだクリニックお台場
1Tuchida Neuro-psychiatric Hospital, Tokyo, Japan
2Hida Clinic Daiba
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
臨床的な病識
,
clinical insight
,
障害認識
,
awareness of illness
,
認知的な病識
,
cognitive insight
,
メタ認知
,
meta-cognition
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
臨床的な病識
,
clinical insight
,
障害認識
,
awareness of illness
,
認知的な病識
,
cognitive insight
,
メタ認知
,
meta-cognition
pp.746-754
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207303
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抄録
病識は有無ではなく,何らかの変化に気づき,精神症状と認識し,治療を受けるなど複数の要素があり,clinical insightとcognitive insightに分けられる。防衛機制,神経認知機能,スティグマや過去の強制医療の体験,誤認識,社会認知などが病識に影響を与える。異なるモダリティの脳内ネットワークの障害を中核に,心理社会的要因がそれを修飾していると思われる。病識の改善に対して薬物療法や心理社会的治療はまだ力不足である。本稿では障害認識(気づき)や病識を育てていくアプローチについて紹介した。まずは治療者が本人の主観的な世界を理解して受け止め,その意味を一緒に考えていくことが,精神障害というしばしばネガティブなラベルの意味を書き換えていくことにつながる。
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