Japanese
English
特集 精神疾患・精神症状にはどこまで脳器質的背景があるのか—現代の視点から見直す
正常な脳の形態・構造とその変化
Changes in Normal Brain Morphology and Structure
森岡 大智
1
,
小林 良太
1
,
川勝 忍
2
Daichi Morioka
1
,
Ryota Kobayashi
1
,
Shinobu Kawakatsu
2
1山形大学医学部精神医学講座
2福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座
1Department of Psychiatry, Yamagata University School of Medicine, Yamagata, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Aizu Medical Center, Fukushima Medical University
キーワード:
加齢性変化
,
age-related change
,
形態的変化
,
morphological change
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
超高齢者
,
oldest old
Keyword:
加齢性変化
,
age-related change
,
形態的変化
,
morphological change
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
,
超高齢者
,
oldest old
pp.355-361
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207230
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抄録
正常な脳は生涯を通じて形態的・機能的変化を持続している。6層から成る大脳皮質における神経細胞脱落の様式は,加齢性変化と神経変性疾患による変性とで異なる。また,脳の発達は部位や時期に応じた多様性がみられ,系統発生学的に古い脳領域でより早く成熟することや,成熟の過程で「シナプス刈り込み」と軸索の髄鞘化による神経伝達の効率化が図られることが知られている。青年期以降では,成熟が遅い脳領域ほど加齢性変化に対して脆弱である可能性が指摘されている。老年期以降の生理的萎縮と病的萎縮の区別には形態画像とVBM(voxel-based morphometry)や脳血流画像の併用が有効である。また,超高齢者においては嗜銀顆粒性認知症やlimbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy(LATE)などの病理学的背景を念頭に置く必要がある。
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