Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
依存症
Addiction
松本 俊彦
1
Toshihiko Matsumoto
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部
1Department of Drug Dependence Research, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
覚醒剤
,
methamphetamine
,
中枢神経興奮薬
,
stimulant
,
渇望
,
craving
,
コントロール喪失
,
loss of control
,
否認
,
denial
Keyword:
覚醒剤
,
methamphetamine
,
中枢神経興奮薬
,
stimulant
,
渇望
,
craving
,
コントロール喪失
,
loss of control
,
否認
,
denial
pp.1683-1690
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206493
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抄録 依存症は否認の病といわれ,かつては,「依存症からの回復には,まずは底つき体験を通じて,否認を打破することが必要」と信じられていた。しかし実際には,治療者が否認を打破しようとすればするほど,否認は強固なものとなり,最終的には治療中断をもたらしやすい。そうした反省から,むしろ今日の依存症臨床では,「否認は回復の始まりであり,底つき体験は治療の中,あるいは,自助グループの仲間の中で体験するものだ」という認識へと変化している。本稿では,中枢神経興奮薬である覚醒剤の依存症を取り上げ,いかにしたら「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方ができるのかについて,筆者自身の臨床経験に基づいて私見を述べた。
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