Japanese
English
特集 精神神経疾患の治療とQOL
摂食障害とQOL
Eating Disorder and QOL
井野 敬子
1
Keiko Ino
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部
1Department of Behavioral Medicine, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
神経性大食症
,
bulimia nervosa
,
生活の質
,
quality of life
,
QOL
Keyword:
摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
神経性大食症
,
bulimia nervosa
,
生活の質
,
quality of life
,
QOL
pp.327-332
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206577
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抄録 摂食障害は精神疾患のうちでも死亡率の高い疾患であり,著しいQOL低下を来す。摂食障害は治療によってQOLの向上を認めるものの,体重・食行動の回復後もQOLの低下が持続するのが特徴である。病理の残存とQOLは関連しているために,体重,食行動の回復後も長期的に摂食障害の病理に働きかける必要がある。摂食障害患者は体重増加に抵抗感を示すが,神経性やせ症においてはBMIの改善はQOLに寄与しているという研究が多い。日常診療において摂食障害患者のQOLの向上について話す際には,「痩せていないと価値がない」と考える症状を外在化しながら患者と価値観について話し合い,体型・体重以外の領域を拡大することは有用であると思われる。また窃盗は実刑を受けると生活基盤を失ってしまうという点で深刻な症状であり,適切な食事指導を進めることで改善を目指したい。
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