Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【摂食障害】
中高年の摂食障害治療を終える
Completing Treatment for Eating Disorders in Middle Aged and Older
山内 常生
1
,
原田 朋子
1
Tsuneo Yamauchi
1
,
Tomoko Harada
1
1大阪公立大学大学院医学研究科神経精神医学
1Department of Neuropsychiatry Graduate School of Medicine Osaka Metropolitan University, Osaka, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
中年
,
middle-age
,
治療終結
,
treatment termination
Keyword:
摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
中年
,
middle-age
,
治療終結
,
treatment termination
pp.1568-1572
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207449
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抄録
医療機関を受診する中高年の摂食障害(eating disorder:ED)患者は増加した。なかには,若年で発症後に晩年までEDが遷延した慢性患者や,中高年での遅発発症患者までさまざまである。神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)の遅発発症患者ではライフイベントが発症や維持に関連することが多く,一方で慢性患者の中には長期間の罹患から治療反応性の乏しい者も少なくない。回復した患者の治療を終えるうえでは,治療終結後の症状再燃に対処できる力を習得させるよう治療で取り組むことが重要である。しかし,遅発発症AN患者や慢性AN患者では,身体的な重症度などから治療を終えることは容易でない。一方,ED病理や食行動への治療を中心に据えず,ストレス要因への適応を高める治療や生活の質を第一にした治療とする場合は,EDの専門的治療から一般精神科治療などへ移行することも選択肢の1つとして考えられる。
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