Japanese
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特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
総合失調症の認知行動療法
Cognitive Behavioral Therapy for Schizophrenia/Psychosis
石垣 琢麿
1
Takuma Ishigaki
1
1東京大学大学院総合文化研究科
1Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
認知療法・認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
,
CBTp
,
フォーミュレーション
,
formulation
,
リカバリー
,
recovery
Keyword:
認知療法・認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
,
CBTp
,
フォーミュレーション
,
formulation
,
リカバリー
,
recovery
pp.1499-1507
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206467
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抄録 認知療法・認知行動療法(CBT)は気分障害や不安症に対する有効性が確立され,診療報酬化されたことにより日本の精神科医療でも普及が進められているが,英米では統合失調症を含むサイコーシスを対象としたCBTの研究と実践が発展している。統合失調症のCBTでは,気分障害や不安症のCBTの技法や協働的経験主義の態度を受け継ぎながらも,フォーミュレーションを重視したアプローチや,ノーマライゼーションを含む介入技法を用いて,統合失調症特有の複雑な症状や当事者の多様な主訴に対応する。本稿では精神療法的な各要素について詳しく解説する。治療の対象となる当事者や治療ゴールが多様であるためにいまだ解決されていない臨床研究上の問題点はあるものの,陽性症状への有効性は明らかにされている。日本では事例レベルでの実践は行われているが,さらなる研究,普及,実践者の人材育成が期待されている。
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