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特集 精神疾患診療へのデジタルツールの活用
virtual reality(VR)を用いたうつ病に対する認知行動療法
Cognitive Behavioral Therapy for Depression Employing VR
松村 雅代
1,2
Masayo Matsumura
1,2
1高知大学医学部「医療×VR」学講座
2株式会社BiPSEE
1Department of Medical VR, Kochi Medical School, Kochi, Japan
2BiPSEE Inc.
キーワード:
仮想現実
,
virtual reality
,
VR
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
,
反すう
,
rumination
Keyword:
仮想現実
,
virtual reality
,
VR
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
,
反すう
,
rumination
pp.61-67
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670010061
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抄録
抗うつ薬で完全寛解に至らないうつ病の治療は大きな課題である。反すう症状が関与している可能性があり,われわれは,反すう症状を軽減することがうつ病の改善につながるとの仮説に基づき,仮想現実(VR)とwebアプリを組み合わせた認知行動療法を開発した。VRは没入感のある体験を通じて対応スキルの直感的な理解と習得を支援し,webアプリは対応スキルの定着を後押しする。臨床研究では,反すう症状の軽減とうつ病の改善を確認し,安全性についても大きな問題は認めなかった。現在,検証的治験に向けて準備を進めている。VRの活用事例は,限局性恐怖症などに対する曝露療法などがあるが,うつ病治療におけるVR活用は世界的にみても先進的な試みである。近い将来,VRゴーグルのセンシング機能を用いた個別化医療や,デジタルバイオマーカーの確立を実現することで,新たな価値の提供を実現していく。
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