Japanese
English
特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
統合失調症に対するillness management and recovery(IMR)—その適応と効果
The Adaptation and the Effect of Illness Management and Recovery(IMR): To maximize the effect of IMR
吉見 明香
1
,
加藤 大慈
2
,
菱本 明豊
1
Asuka Yoshimi
1
,
Daiji Kato
2
,
Akitoyo Hishimoto
1
1横浜市立大学医学部精神医学
2戸塚西口りんどうクリニック
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Yokohama City University, Yokohama, Japan
2Totsuka Nishiguchi Rindou Clinic
キーワード:
IMR
,
illness management and recovery
,
心理教育
,
psycho-education
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
リカバリー
,
recovery
,
根拠に基づく実践
,
evidence-based practice
Keyword:
IMR
,
illness management and recovery
,
心理教育
,
psycho-education
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
リカバリー
,
recovery
,
根拠に基づく実践
,
evidence-based practice
pp.1453-1461
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206462
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抄録 IMR(illness management and recovery)は,科学的根拠に基づく実践の1つで,リカバリー概念を中心にした心理社会的介入プログラムである。自らの疾病を管理するための情報を得て,リカバリーを目指す。適応としては,主に統合失調症患者を対象に,デイケア,就労継続支援事業,地域活動支援センターなどで,数人のグループで行われており,疾病管理能力,精神症状,病識,生活の質の改善などの効果が報告されている。IMRが最大限の効果を発揮するためには,フィデリティ尺度を参考にしながら,参加人数,実施期間,スタッフのトレーニングなどを検討するとよい。施行する際には,実施施設の施設長がリカバリー志向について理解し,IMRを実施する環境の整備に協力的であることが望ましい。参加者としては,比較的高齢で,教育歴があり,精神症状が安定していることが継続的な参加に繋がり,効果を得やすい。また,プログラム実施全体を通して,「希望」を伝え続けることが重要である。
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