Japanese
English
特集 精神疾患回復の時間経過を見通す
不安症回復の時間経過—長期予後をふまえて
Anxiety disorders-Time Course of Recovery Based on Report of Long-term Prognosis
藤井 泰
1,3
,
朝倉 聡
2,3
Yutaka Fujii
1,3
,
Satoshi Asakura
2,3
1北海道立向陽ヶ丘病院
2北海道大学保健センター
3北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室
1Hokkaido Prefectural Koyogaoka Hospital, Hokkaido, Japan
2Health Care Center, Hokkaido University
3Department of Psychiatry, Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
不安症
,
anxiety disorder
,
長期予後
,
long term prognosis
,
寛解
,
remission
,
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
,
selective serotonin reuptake inhibitor
,
SSRI
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
Keyword:
不安症
,
anxiety disorder
,
長期予後
,
long term prognosis
,
寛解
,
remission
,
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
,
selective serotonin reuptake inhibitor
,
SSRI
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
pp.1490-1497
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207119
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抄録
不安症は慢性経過をたどることが多い疾患である。治療の第1選択としては,薬物療法であれば選択的セロトニン再取り込み阻害薬,精神療法では認知行動療法が挙げられる。治療介入を行った場合に10年後に治療を終了し完全寛解しているのは多く見積もっても半数程度と推察され,多くの患者が程度の差はあれ,社会生活に不安症状の影響が残存していると考えられる。一方で,QOLがベースラインより改善しているとの報告がほとんどであり,年代にかかわらず治療介入の意義はあると考えられる。不安症患者の受診率は低く,調査で把握されていない患者も多く存在するため,治療介入を行わない場合の寛解率は不明であるが,さらに低い可能性がある。
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