Japanese
English
特集 身体症状症の病態と治療—器質因がはっきりしない身体症状をどう扱うか?
身体症状症の認知行動療法
Cognitive Behavioral Therapy for Somatic Symptom Disorder
清水 栄司
1,2,3
Eiji Shimizu
1,2,3
1千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学
2千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
3千葉大学医学部附属病院認知行動療法センター
1Department of Cognitive Behavioral Physiology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
2Research Center for Child Mental Development, Chiba University
3Cognitive Behavioral Therapy Center, Chiba University
キーワード:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
パニック症
,
panic disorder
,
破局的認知
,
catastrophic cognition
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
Keyword:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
パニック症
,
panic disorder
,
破局的認知
,
catastrophic cognition
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
CBT
pp.1623-1632
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206239
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抄録 身体症状症の認知行動療法(CBT)は,15件のRCTのメタ解析により,対照群よりも高い有効性が示されている。うつ,不安症状が顕在化していない場合などは,パニック症と同様に,「医学的に説明できない身体症状」を精神的な症状と取り扱われることに対する患者の抵抗に十分に留意しながら,治療同盟を形成し,導入する必要がある。身体症状それ自体にとらわれることなく,身体症状による日常生活への支障の改善を治療の目標とする。慢性的な身体症状による破局的な認知に伴う注意,感情,行動の悪循環へ焦点化する。注意のバイアスに気付き,安全行動をやめて,破局的な認知を再構成するための行動実験を行う。身体症状それ自体は残存したとしても,日常生活への支障が顕著に改善することで,患者のQOLは高まるので,好循環が維持されるように再発防止での般化を行っていく。
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