Japanese
English
特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
IPS援助付き雇用—就労と医療の統合されたアプローチ
Individual Placement and Support in Japan: Integration of employment and mental health services
中原 さとみ
1
Satomi Nakahara
1
1桜ヶ丘記念病院
1Sakuragaoka Memorial Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
IPS
,
individual placement and support
,
援助付き雇用
,
supported employment
,
フィデリティ評価
,
fidelity scale
,
就労ユニットミーティング
,
IPS supported employment unit meeting
,
マクロソーシャルワーク
,
macro social work
Keyword:
IPS
,
individual placement and support
,
援助付き雇用
,
supported employment
,
フィデリティ評価
,
fidelity scale
,
就労ユニットミーティング
,
IPS supported employment unit meeting
,
マクロソーシャルワーク
,
macro social work
pp.1463-1471
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206463
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抄録 IPS援助付き雇用(individual placement and support:IPS, evidenced-based supported employment)は,過去20年間に少なくとも20カ国で着実に普及している。わが国では徐々に広がりをみせているが,制度化には至っておらず,自主的な実践に留まっている。IPSは働くことを通して,クライアントの収入増加,自尊心の向上,社会的役割を得られ,入院,精神保健サービスの利用を減らし,アルコールや薬物などの物質使用の量を減らし,生活の質の向上などのよい影響をもたらすことだけでなく,医療機関において働くことを支える文化を醸成し,医療従事者の強みもまた大きく発揮できるサポートである。
本稿ではIPSの概要や近年のIPSの状況のほかに統合失調症の事例を紹介する。今後の展望として制度化の上でIPSの体系的な研修や技術支援が普及において大きな鍵であり,マクロソーシャルワークを始めたところである。将来的にクライアントがどこで暮らしていても豊かな人生を送ることができるように医療政策などにIPSが位置付けられることを期待したい。
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