Japanese
English
特集 障害者の社会参加と就労支援
精神障害者
Social participation for persons with psychiatric disabilities and vocational rehabilitation services.
中川 正俊
1
Masatoshi Nakagawa
1
1田園調布学園大学人間福祉学部社会福祉学科
1Den-en Chofu University Faculty of Human Welfare Department of Social Welfare
キーワード:
精神障害者
,
社会参加
,
就労支援
,
リカバリー
,
援助付き雇用
Keyword:
精神障害者
,
社会参加
,
就労支援
,
リカバリー
,
援助付き雇用
pp.1009-1013
発行日 2013年11月10日
Published Date 2013/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110297
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はじめに
精神障害者の社会参加が論文テーマとなること自体が,わが国の精神障害者が置かれている立場を如実にあらわにしていると言えば,皮肉が過ぎるであろうか.わが国の精神障害者対策は,精神科病院における入院医療を中心に展開してきた.退院可能精神障害者の地域移行に国が積極的に関与を始めたのは,わずか数年前のことである.
その結果,精神障害者に対する世間一般のイメージは,非社交的で生活意欲に欠け,希望や目標もないまま人生を送る人たちという,極めてネガティブなものになってしまった.地域社会でともに暮らした経験がなければ,それも当然の結果と言えよう.
しかしながら,統合失調症をはじめとする精神障害者の支援を通して感じるのは,彼らの“人間らしさ”ないしは“人間くささ”である.就労や結婚などの“一人前”の生活を強く望み,言葉で表出しないまでも,きわめて明確な人生上の志向課題を有している.その社会志向性は,2008年の厚生労働省による実態調査1)において,就業していない精神障害者(手帳取得者)のうち,就業を希望する人の割合が6割に及んでいることからもうかがえる.
本論文は,精神障害者の社会参加と支援にまつわる諸問題を,就労を中心に論じることを目的とする.
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