連載 障害者の多様な働き方
援助付き雇用―ジョブコーチについて
堀江 美里
1
1中野区障害者福祉事業団
キーワード:
援助付き雇用
,
ジョブコーチ
,
職場開拓
,
実習支援
,
定着支援
Keyword:
援助付き雇用
,
ジョブコーチ
,
職場開拓
,
実習支援
,
定着支援
pp.1102-1103
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100418
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援助付き雇用の台頭
従来の職業リハビリテーションは,失ったものを補うという,職業訓練や評価に重点を置いたものであった.しかし,障害者雇用の対象を全障害者とした際に,従来の職業リハビリテーションの考え方,手法では対応しきれない対象者を支援するための具体的な手法が求められた.
そこで注目されたのが,1986年,アメリカにおいて制度化された援助付き雇用(supported employment)だった.1999年頃,わが国においては,制度化をみないままに,民間において「援助付き雇用」をモデルとしたさまざまな事業や取り組みが実践されていたが,理念を基本とした体系的な姿にはなっていなかった.これらの取り組みのなかで「社会福祉法人横浜やまびこの里」が「ジョブコーチ基本・実践セミナー」を通して,ジョブコーチの理念・手法を体系的にまとめ,実践者のネットワークを全国に広げた.この取り組みと企業・利用者のニーズもあり,2002年,職場適応援助者(ジョブコーチ)事業として制度化された.日本においては明確な基準はないが,援助付き雇用は以下の4つの条件を満たすものである.
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