Japanese
English
特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
包括的地域生活支援(ACT)
ACT(Assertive Community Treatment)
西尾 雅明
1,2
Masaaki Nishio
1,2
1東北福祉大学総合福祉学部
2東北福祉大学せんだんホスピタル
1Faculty of Comprehensive Welfare, Tohoku Fukushi University, Sendai, Japan
2Tohoku Fukushi University Sendan Hospital
キーワード:
包括的地域生活支援
,
assertive community treatment
,
ACT
,
アウトリーチ
,
outreach
,
援助効果
,
outcome
,
フィデリティ
,
fidelity
Keyword:
包括的地域生活支援
,
assertive community treatment
,
ACT
,
アウトリーチ
,
outreach
,
援助効果
,
outcome
,
フィデリティ
,
fidelity
pp.1473-1482
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206464
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抄録 近年,ACTは多職種アウトリーチ支援の1つとして語られることが多い。その効果については患者満足度・入院抑止・住居の安定性などに関する効果が知られ,十分なエビデンスがある。対象は重度かつ継続的な精神障害を持つ人たちの2〜4割で最もニーズが多い人たちであり,特に原疾患により学習したことを他の新しい局面で応用することが苦手な者には,家庭や職場など実際の生活の場での包括的な支援が有用である。各チームは明確な加入基準を持ち遵守することで,入院抑止効果などの成果を発揮しやすい。加入基準も含めて高いフィデリティを保つことが肝要であるが,わが国の地域精神保健事情を鑑みると,積極的に家族支援を行うこと,チーム精神科医が利用者の主治医となる率を高めること,入院治療も含め地域ネットワークとの連携を図ること,アウトリーチ特有の倫理的課題を検討することなどが,ACTの有効性や存在意義をさらに高めることに繋がると考える。
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