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特集 若年性認知症の疫学・臨床・社会支援
認知症疾患医療センター実績報告書を用いた若年性認知症の疫学研究
The Epidemiological Study of Early-onset Dementia Based on Annual Performance Reports from the Medical Centers for Dementia
枝広 あや子
1
,
粟田 主一
1
Ayako Edahiro
1
,
Shuichi Awata
1
1東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と精神保健研究チーム
1Research Team for Promoting Independence and Mental Health, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, Tokyo, Japan
キーワード:
若年性認知症
,
early-onset dementia
,
発生率
,
incidence
,
DSM-5診断名
,
DSM-5 diagnosis
,
認知症疾患医療センター
,
medical center for dementia
Keyword:
若年性認知症
,
early-onset dementia
,
発生率
,
incidence
,
DSM-5診断名
,
DSM-5 diagnosis
,
認知症疾患医療センター
,
medical center for dementia
pp.1529-1537
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206223
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抄録 若年性認知症の発生率の調査は,政策立案上必要であるにもかかわらず,調査自体が困難である。わが国においては認知症の専門医療機関として認知症疾患医療センターが整備されており,認知症疾患医療センターの年間の実績報告書は,DSM-5およびICD-10に準じた若年性認知症の新規鑑別診断件数を記載する形式となっている。そのため実績報告書を集計することによりわが国の1年間の若年性認知症発生率を推定することが可能である。2016年度から2018年度に実績報告書から,若年性認知症の新規鑑別診断件数は順に1,776人,1,849人,1,733人であった。それぞれの年度の10月時点の18〜64歳人口10万人あたりの発生率は,2.487人,2.614人,2.471人と推計された。この方法は認知症疾患医療センターを受診した患者のみ対象としているので過小推計になる可能性がある。しかし,全国を対象地域としていること,経年的な疫学的モニタリングが可能であることなどの長所がある。諸外国の調査と方法論の比較を行った上で,今後の課題を整理した。
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