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特集 若年性認知症の疫学・臨床・社会支援
遺伝が関与する若年性認知症
Genetic form of Early-onset Dementia
池内 健
1
,
荒木 亜希
1
Takeshi Ikeuchi
1
,
Aki Araki
1
1新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター
1Department of Molecular Genetics, Brain Research Institute, Niigata University, Niigata, Japan
キーワード:
若年性認知症
,
early-onset dementia
,
メンデル遺伝
,
Mendelian inheritance
,
遺伝子診断
,
genetic diagnosis
,
遺伝カウンセリング
,
genetic counceling
,
大脳白質変性症
,
leukoencephalopathy
Keyword:
若年性認知症
,
early-onset dementia
,
メンデル遺伝
,
Mendelian inheritance
,
遺伝子診断
,
genetic diagnosis
,
遺伝カウンセリング
,
genetic counceling
,
大脳白質変性症
,
leukoencephalopathy
pp.1481-1491
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206218
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抄録 加齢の影響が比較的少ない若年性認知症の発症には,遺伝的要因が強く関与している。若年性認知症を診察する際には,遺伝が関与する可能性を考慮し,家族歴を丁寧に聴取する必要がある。遺伝が関与する若年性認知症の原因は多岐にわたるため,専門医と連携しながら鑑別診断を進めることが望ましい。最も遺伝因子が強く発症に影響するのは,メンデル遺伝型の認知症である。メンデル遺伝型認知症それぞれの病型に対応する原因遺伝子が同定されており,遺伝子検査により病的変異を同定することで診断が確定できる。遺伝性認知症と診断した場合,当事者の医療,介護,社会支援に加え,本人と家族に対して遺伝に関する支援を行うことが望ましい。常染色体優性遺伝性アルツハイマー病(autosomal dominant Alzheimer's disease:ADAD)を対象とした臨床研究が進んでおり,認知症の発症前に生じるバイオマーカーの変化が明らかにされている。さらにADAD家系員を対象とし,疾患修飾薬を用いた臨床試験が行われており,予防的介入を目指した治療開発が進められている。
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