増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説
特集にあたって
鈴木 道雄
1
Michio Suzuki
1
1富山大学学術研究部医学系神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, University of Toyama, Graduate School of Medicine and Pharmacentical Sciences, Toyama, Japan
pp.499
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206060
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経験と直感に基づく医療からevidence-based medicine(EBM)への転換は,医療における近年の最も大きな変化のひとつである。EBMの発展と普及に伴い,本邦でも数多くの診療ガイドラインが作成・公表されており,また日本医療機能評価機構では,質の高い診療ガイドラインの普及を目的に,EBM医療情報事業(Minds)を展開している。Mindsでは,診療ガイドラインを「診療上の重要度の高い医療行為について,エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価,益と害のバランスなどを考量して,患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義している(https://minds.jcqhc.or.jp/s/about_guideline)。本特集では,精神科領域でも非常に多数の診療ガイドラインがある中で,内容が新しく現在の使用に適し,日常診療で参照すべきものをなるべく過不足なく選び,その領域の専門家による解説を付している。また,作成中や近日中に公開予定の,有用性が高いと思われるガイドラインをコラムとして取り上げた。
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