Japanese
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特集 作業療法を活用するには
社会療法としての作業療法—精神科医の経験を振り返って考える
Occupational Therapy as Social Therapy
金杉 和夫
1
Kazuo Kanasugi
1
1金杉クリニック
1Kanasugi Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
Occupational therapy
,
Social therapy
,
Group therapy
Keyword:
Occupational therapy
,
Social therapy
,
Group therapy
pp.875-880
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205657
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はじめに
職業や家事に結びついた生産的作業を行う狭い意味の作業療法だけでなく,芸術やスポーツなど人間の多様な活動を含めた広い意味の作業療法(活動療法と呼ぶこともできる)は,入院,デイケア,外来,地域ケアなど精神科治療のさまざまな場面で行われており,多くの精神科医はそこに何らかの治療的な意義があると認識していると思う。しかし精神科医が育ってきた年代,世代によって,また働いてきた施設によって,作業療法のイメージも実際の行われ方も違っていて,精神科医の間に作業療法に関する一致した見方,考え方がないように思う。筆者は精神科医として働いてきた経験から,作業療法には患者が病による混乱の中から日常生活や自然や人間社会とのつながりを回復していくきっかけを作る社会療法的な効果があると感じてきたので,本稿ではそれについて考えてみたい。
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