Japanese
English
研究と報告
うつ病の遷延化要因—長期入院患者による検討
Characteristics of Prolonged Depressed Inpatients
田所 千代子
1
,
宮岡 等
2
,
上島 国利
1
Chiyoko TADOKORO
1
,
Hitoshi MIYAOKA
2
,
Kunitoshi KAMIJIMA
1
1昭和大学医学部精神医学教室
2北里大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Shown University, School of Medicine
2Department of Psychiatry, Kitazato University, School of Medicine
キーワード:
Depression
,
Prolonged hospitalization
,
Dose of antidepressants
,
Hypochondria
Keyword:
Depression
,
Prolonged hospitalization
,
Dose of antidepressants
,
Hypochondria
pp.185-193
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902376
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【抄録】 うつ病の遷延化要因を探る一助として長期入院患者の特徴を検討した。うつ病患者51例を入院期間の中央値にて長期群と非長期群に二分し以下の要因を比較した。その結果,長期群の特徴として(1)症状出現から精神科受診までの期間が長期である。(2)病前のGAF尺度得点が低値である。(3)HAM-D 21項目得点が入院2週間後も高値である。(4)HAM-D心気症項目得点が入院時より高値である。(5)入院2週間後までの抗うつ薬の1日平均投与量が低用量であることなどが挙げられた。入院2週間後までに十分量の抗うつ薬の投与ができない場合は長期化につながる可能性が高く,心理教育に力を注いだり,電撃療法を考慮するなどの必要性があるものと考えられた。
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