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Parkinsonismusの臨床像が記載されて150年以上を経た今日,その精神病理学に関与することにいったい意味があるのだろうか?それらはすべて,学術記録の中に程よく整理され,収納されてすでに久しいのではないのであろうか?いくつかの最近出版された単行本の中で,Parkinsonismusに関するわれわれの知識の現況を示すという明白な目的をもってSiegfried(1968)が書いた仕事に目を向けてみても,多彩な精神病理学的所見を得る期待は裏切られてきた。彼は総計262頁に及ぶ論文のうち,精神病理学的現象にはわずか1頁を割いているだけである。それは,この著書の中で世界中の文献を紹介している彼に落度があるのではなく,現在ある文献の実際の比率がそのままここに現れているのである。したがって,Parkinsonismusの精神病理学を論ずるさいに,この余りにも明白な車態がもう一度繰り返されることを気遣う必要はない。第2の問題は,すでにその神経化学的物質が明らかにされている病気の精神病理学にたずさわることが,いったい,報われる仕事であろうかという点である。この問いに対しても,それはまったくやりがいのある仕事であると答えることができる。しかも,この脳疾患に関して多くのことが,すでに知られているにもかかわらずではなく,多くのことが知られているからこそ,その疾患の精神病理学的現象に対する影響が研究されるべきなのである。神経学的症状と精神病理学的所見とを比較することからこそ,精神病理学全体に対してきわめて重要な考察が生まれるのである。
この講演では,1929年から1969年の間のミュンスター大学神経科における714例の病歴の検討から得られた結果のすべてについて述べることは不可能である。これらの患者のうち,63例の病後歴が調査された。病後歴研究は,最少年限を5年とし,5年から40年にわたる期間におよび,平均17年であった。
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