実地臨床手技のエッセンス 妊娠に合併する難症のとり扱い--他科よりのアドバイス
妊娠と精神疾患
市川 潤
1
,
佐藤 正敏
1
Jun Ichikawa
1
,
Masatoshi Sato
1
1市立函館病院分院旭岡病院,精神科
pp.853-856
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206126
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与えられたテーマの対象となる疾患として,ここでは,精神医学領域における代表的な疾患である精神分裂病(以下分裂病),躁うつ病,非定型精神病およびてんかんについて述べることとし,妊娠・出産などの生殖過程が,これらの疾患にどのような影響を与えるかについて概観したのち,それを踏まえたうえでの,現在考えられる対策を考察してみたい。
上記の疾患に対する現在の病因論は,本質的には未解明の部分が多いが,病因の構成が多元的であると同時に,生殖過程が精神疾患に及ぼす影響も多元的であることは承認されているといってよい。したがって,後に述べるように,行なわれる対策も,症例ごとの特徴に応じて重点の置きどころを異にする。
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