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研究と報告
外来患者動態 年齢,性,診断—東大精神科外来活動の経験,第1報
Statistical Context: Age, Sex and Diagnostic Composition: Statistical Observations on Psychiatric Outpatient Service of Tokyo University Hospital: The first report
朝野 潤二
1
,
太田 昌孝
1
,
岡崎 祐士
1
,
豊嶋 良一
1
,
宮内 勝
1
,
渡辺 諄二
1
Junji Asano
1
,
Masataka Ota
1
,
Yuji Okazaki
1
,
Ryoichi Toyoshima
1
,
Masaru Miyauchi
1
,
Junji Watanabe
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.233-241
発行日 1975年3月15日
Published Date 1975/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202288
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I.はじめに
通院(外来)—入院—後保護(社会復帰)という治療過程を精神科医療の基本形式とすることは,従来しばしば語られたことであったが,現在は必ずしも適切ではない。通院医療のみで生活を中断せずに軽快し,社会復帰している患者数が増加している。この事実は,外来で十分な治療的働きかけがなされるならば,必ずしも入院させずに済み,患者の生活に即して治療を継続し,患者を支えていくことが可能であるという考え方がひろがった結果であり原因でもある。もちろん,そのためにはその考え方を支える医療サービス側の条件が醸成されなければならなかった。医療技術(主に生活指導,薬物療法,精神療法の3本柱)と技術の発揮を可能とする診療体制(人,組織,計画)がその内容といえるであろう。
今後,精神科医療は,外来医療と諸社会復帰活動が,地域医療活動の中に包含されていく中に一つの方向が見出されるものと思われる。入院医療は,あらためて積極的位置づけを迫られているといえよう。
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