特集 錐体外路系・I
Parkinsonismusの臨床
新 城之介
1,2
,
内田 英一
1,2
,
池田 一
2
1東京大学上田内科
2養育院付属病院内科
pp.871-882
発行日 1959年9月5日
Published Date 1959/9/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901711
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I.まえおき
1817年James Parkinsonにより,知覚及び知能の障害を伴うことなく,特有な振顫・筋力の低下・前屈姿勢等を主要症状とする慢性疾患Paralysisagitansが一疾患単位として初めて記載されて以来,種々の原因によつてこれと類似の症候群を示すものをParkinsonismus或いはParkinson症候群と呼ぶようになつた。今日では本症候群は運動減少症と筋硬直の2症状の組合せ,即ちakinetisch-hypertonischを主要症状として,多くの場合振顫を伴う錐体路系障害による症候群として理解されている。
Paralysis agitansを含めて本症候群は錐体外路系疾患の中では最も屡々見られるもので,我々の統計では136例中85例,62.5%を占めている。その原囚は腫々で,Hcrz et al.1)は変性・血管障害・炎症・中毒・腫瘍に分けているが,その他外傷によるParkinsonismusが認められており(特に拳闘家等持続的に繰返えされる鈍力作用による場合),最近ではChlorpromazineとRauwalfia誘導体によつても,Parkinsonismusが起ることが知られている。
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