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研究と報告
てんかんの社会精神医学的研究(第1報)—家族の態度について
Sociopsychiatric Studies on Epilepsy: Family Attitudes toward Epilepsy
田所 靖男
1
,
西尾 明
2
,
加藤 薗子
2
Yasuo Tadokoro
1
,
Akira Nishio
2
,
Sonoko Kato
2
1名古屋大学医学部精神医学教室
2愛知県城山精神衛生相談所
1Dept. of Psych., Nagoya Univ., School of Med.
2Shiroyama Mental Hygiene Clinic, Aichi Prefecture
pp.395-399
発行日 1968年5月15日
Published Date 1968/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201336
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Ⅰ.まえがき
てんかんの身体面については,電気生理学的研究を中心として近時大きな進歩がみられ,治療面でも種々の抗てんかん剤の開発が進み患者の多くはその恩恵をこうむつているが,てんかんの精神症状,とくにその性格面での研究業績はかならずしも満足すべきものではなく,ましてそのような特徴的性格にもとづくてんかん患者の社会的不適応の現状への関心,対策はけつして十分とはいえない。
われわれがてんかん外来で診療に従事して患者およびその家族との接触が深くなるにつれて,それぞれの立場から発作そのものの治療のみでなく,家庭内あるいは職場,学校での問題,進学,就職あるいは結婚など種々の問題について相談を受けることが多くなることは当然であるが,このような問題に対処するに必要な基礎資料の乏しさと,現行の医療体系の不備にしばしば困惑させられるのである。われわれはこのような問題解決への一助として,精神科医,臨床心理学者,精神医学的ソーシャルワーカーの三者からなる診療グループを編成し,てんかんに対する心理的・社会的側面からのアプローチをこころみたが,今回はその第1報としててんかん患者の家族,とくに親の態度について検討を加えてみた。
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