Japanese
English
研究と報告
精神障害に対する認識および治療的態度に関する研究(第2報)
Study on the Reco Therapeutic Attitude towards Mental-Health and-Illness
三浦 岱栄
1
,
笠松 章
2
,
台 弘
3
,
西丸 四方
4
,
野口 晋二
5
,
加藤 正明
6
,
小此木 啓吾
1
,
河合 洋
1
,
平岩 登和子
1
,
南坊 真理子
1
,
宗宮 久仁子
1
,
浮田 多美子
1
,
石岡 嘉子
1
,
安永 浩
2
,
飯田 真
2
,
江熊 要一
3
,
堀越 伸行
3
,
木田 富士夫
4
,
大島 貞夫
5
,
目黒 克己
6
,
高橋 徹
6
,
安食 正夫
6
,
片野 卓
6
,
塚田 不二子
6
,
山田 信子
6
K. Okonogi
1
,
H. Kawai
1
,
T. Hiraiwa
1
,
M. Nanbo
1
,
K. Munemiya
1
,
T. Ukita
1
,
Y. Ishioka
1
,
H. Yasunaga
2
,
M. Iida
2
,
Y. Eguma
3
,
N. Horigoshi
3
,
F. Kida
4
,
S. Oshima
5
,
K. Meguro
6
,
T. Takahashi
6
,
M. Aziki
6
,
T. Katano
6
,
F. Tsukada
6
,
N. Yamada
6
1慶応大学神経科
2東大分院神経科
3群馬大学神経科
4信州大学神経科
5桜ケ丘保養院
6国立精神衛生研究所
1Dept. of Neuropsycthiat., School of Med., Keio Univ.
2Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Tokyo Univ.
3Dept. of Neurropsychiat., Gunma Univ.
4Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Shinshu univ.
5Sakuragaoka Mental Hosp.
6National Institute of Mental Health
pp.967-973
発行日 1963年12月15日
Published Date 1963/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200641
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I.まえがき
精神障害その他社会的適応障害の早期発見,適切な治療並びに社会復帰などを推進させるには,精神医学的治療の進歩のみならず,関係職種の職員,患者家族および一般地域社会における精神障害および精神病院などに対する正しい認識と治療的態度が必要であり,精神障害者や精神病院に対する偏見が,これらの発見,治療,社会復帰を妨げている。われわれはすでに,看護婦,保健婦および公衆衛生教育機関職員599名について調査し,第1報に報告したように,精神障害に対する態度が「一般的社会的態度」と有意の相関を示し,年令が高く学歴が低いほど社会的には保守的態度が増えるとともに,精神障害に対する「治療的態度」が減少し,年令が若く学歴が高いほど,前者で保守的態度が減少し,後者で「治療的態度」が増加することを認めた。しかし,これらの結果が医療ないし公衆衛生に従事する職員に対して行なつたものであることや,質問紙法のみによる調査であつた点に,なお残された問題がある。この点を発展させるため,今回は特定の職業集団で医療や公衆衛生に関係のないものを選び,質問紙法のみならず面接によるテスト・バッテリーをふやして,一般の人びとの精神障害に対する認識や関心の程度を比較検討しようと試みた。
欧米でのこの種の調査としては,ロンドンのCarstairsとHeronが農村と炭坑における比較調査を行ない,学歴と年令の要因が大きく働いていたとし,シカゴの国立与論研究所のStarが,全米住民の無作為抽出人口に対して,シチュエーション・テストを試み,これはさらにLemkauその他によつてボルティモアの指導者層の精神障害に対する態度の調査に用いられている。
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