Japanese
English
研究と報告
てんかんの社会精神医学的研究(第2報)—社会の態度
Sociopsychiatric Studies on Epilepsy: Public Attitudes toward Epilepsy
加藤 薗子
1
,
西尾 明
1
,
田所 靖男
2
Sonoko Kato
1
,
Akira Nishio
1
,
Yasuo Tadokoro
2
1愛知県城山精神衛生相談所
2名古屋大学医学部精神医学教室
1Shiroyama Mental Hygiene Clinik
2Dept. of Psych., Nagoya Univ., School of Med.
pp.457-463
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201344
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「てんかん」に対する社会の態度について,「てんかん」の周知度,社会の認識の実態,「てんかん患者および家族」に対する態度,さらに,社会の偏見の実態などを検討したのであるが,その結果,つぎのことが明らかになつた。
(1)「てんかん」は,社会のなかの相当広汎に周知されている。
(2)「てんかん」に対しては,極端にかたよつていると思われる考えかたは比較的少ないが,しかし,患者自身に対しては,否定的感情および警戒的・拒否的態度がかなり存在している。
(3)程度の差はあれ,全体の8割近い人に,なんらかの偏見的考えかたがある。
このような結果は,第1報で報告の家族の悩みをうらづけているものであり,現状では,やはり「てんかん」の社会生活には,かなり困難な問題が存在すると考えられる。
しかし,一方では,患者や家族に同情的・好意的な感情もかなり存在しており,こうした共通感情は,地域社会のはたらきかけに対する受けいれの可能性を示していると考えられる。
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