特集 うつ病の臨床
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    指定討論
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                満田 久敏
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1大阪医大精神科
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.976-977
                
                
                
                  発行日 1966年12月15日
                  Published Date 1966/12/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201113
                
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- 文献概要
「うつ病の診断基準」について考える場合に,まず思い出されるのは,戦前にK. SchneiderとBumke学派を代表したStauderの間で,躁うつ病の限界Umgrenzungについてたたかわされた論争である。ご存じの方も多いと思うが,Schneiderは「躁うつ病という病気は比較的珍しいものだ」と主張したのに対し,Stauderは「躁うつ病なんか,ごくありふれた精神病にすぎない」と反駁し,真向うから対立したのである。当時,Bumke教授もSchneider教授も,大学病院と市立病院の違いはあつたが,2人ともミュンヘン市に勤めていた。だから同じミュンヘンのなかで,躁うつ病の頻度がそんなに違うはずはなく,むろんこれは,この病気に対する診断基準がBumkeとかSchneiderのような大家のあいだでも——あるいはむしろ,大家であるためにといつたほうがよいかもしれないが——それほど大きく相異することを物語るもので,はなはだ興味深い。実は私,最近この2人の論文をいま一度読みなおしてみたのであるが,こんにちでもかなり読みごたえがあつて,それだけに躁うつ病については,1930年代と30年後のこんにちの間にも,治療の面はべつとして,診断の面ではそれほど大きな違いがないともいえる。
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