特集 精神療法における治癒機転
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
指定討論
岩崎 徹也
1
1慶応大学神経科
pp.285-290
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201185
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
純粋罪悪感というユニークな立場に立たれた先生のこ発表を,たいへん興味深く拝聴いたしました。先生のご発表は,臨床経験の深い実践のなかから生まれたものであると存じ,その点にまず敬意をはらいます。きようのご発表は,今後のわれわれの治療の実践にさいして,理論的にも技法的にも非常に有益なご示唆をいただいたものと思います。
先生のおつしやる純粋罪悪感を,患者がもてるようになつたということは,これを対象関係として考えると,その患者に"我と汝"的な対象関係がはつきりと確立されたことを意味すると思います。これをまた,対人関係論的にながめると,相手を傷つけ罪悪感を感じながらも,そのたびに相互性mutualityを回復することができるというところに,純粋罪悪感発生の意義があると思います。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.