特集 うつ病の臨床
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
指定討論
布施 邦之
1
1京大精神科
pp.982-983
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201116
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土居先生はFreudをもとに,ご自身の豊かな臨床上のご経験から,うつ病の精神力学をきわめて明快に説明なさいました。とくに反論はありませんが,自分は臨床の場で,うつ病者をどう扱つているか,どう理解しているかを述べ,そこから治療とかかわりのある二,三の問題にふれてみたいと思います。
うつ病は心の痛みmental painだとよくいわれます。痛みである以上何かmentalな次元で悪いところがあるはずです。抗うつ剤によつて痛みを止めるとともに,私はその痛みの原因を見つけることをつねに心がけています。
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