Japanese
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特集 児童精神医学
展望
わが国児童精神医学の展望
Present Status of Child Psychiatry in Japan
高木 四郎
1
S. TAKAGI
1
1国立精神衛生研究所児童精神衛生部
1National Institute of Mental Health
pp.599-607
発行日 1959年9月15日
Published Date 1959/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200128
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Ⅰ.まえがき
「児童精神医学」といつても,多くの人は精神薄弱児やてんかん児の問題を扱う領域を,便宜上一括して呼ぶのだぐらいにしか考えていないのではあるまいか。わが国でも近年,小児分裂病の問題が関心をひくようになつたので,せいぜい,児童精神医学にはこのような問題もあつたのかと認識された程度であろう。しかし,それだけならば,なにもわざわざ「児童精神医学」などと銘うつて専門分科らしく装う必要もないはずである。
児童の精神医学的問題には,成人とは異なるさまざまな問題がある。等しく神経症とか分裂病とかの名をもつて呼ばれても,児童期におけるそれらは,一般の精神科医が日常接する成人の疾病とは相当に様相を異にしている。さらに,児童期に独特な問題も少なくない。
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