Japanese
English
特集 ウェアラブルデバイスと未来の医療
わが国におけるPHRの現況と課題・展望
-――PHRを活用した健康社会の実現に向けて
Current status, challenges and prospects of PHR in Japan
石見 拓
1
Taku IWAMI
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻予防医療学分野
キーワード:
PHR(personal health record)
,
PGD(person generated data)
,
標準化
,
社会基盤
Keyword:
PHR(personal health record)
,
PGD(person generated data)
,
標準化
,
社会基盤
pp.1049-1054
発行日 2022年9月17日
Published Date 2022/9/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282121049
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
個人の健康情報を活用した健康管理・増進の仕組みとして,PHR(personal health record)に期待が集まっている.わが国には優れた健診制度と手帳文化が存在しており,ここから得られるデータとウェアラブルデバイスなどから得られる日常的なライフログをPHRとして活用することで,データに基づく健康管理・増進,病気の予防,治療や介護の質向上が期待できる.わが国において,広く国民が質の高いPHRサービスのメリットを享受できるようにするために,民間PHRサービスの役割が期待されている.今後は,事業者間の競争だけでなく,PHRを社会基盤ととらえ,PHRサービス全体の質の向上,事業者間での連携,特に重要なPHR項目についてのポータビリティを確保することでユーザーの利便性を高めるなど,PHR業界全体の底上げをはかる必要がある.適切にPHRサービスが利活用されるよう,PHRサービスを提供する民間事業者,アカデミア,医療者などが一体となってPHRサービスに関わるルールの整備,メンテナンスをしていくこと,国民のヘルスリテラシーの向上,社会的な合意形成も求められている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.