特集 21世紀に向けたヘルスマンパワー計画
わが国のヘルスマンパワーの展望
古市 圭治
1
Keiji FURUICHI
1
1厚生省健康政策局
pp.524-526
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900619
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◆はじめに
わが国の21世紀の健康戦略を考える上でヘルスマンパワーは極めて重要な問題である.
というのも,超高齢化社会の到来が見込まれることと,かつてない少産化時代にすでに突入しているからである.生産年齢人口が総体的に減少する中で,高齢者の人口の伸びに比例して増大する保健・医療・福祉ニーズへの対応の鍵は,ヘルスマンパワーの確保にあると言っても過言ではない.
しかしながら,これは保健・医療・福祉のみならずその他の多くのサービスにも言えることであり,就労,家族形態といった国民の生活全般と深く関係している.したがって,職場や仕事の中身に魅力がなければ,保健・医療・福祉の分野に人材を集めることは今以上に困難になっていくであろう.
一方,提供されるサービスの内容も,保健分野における疾病対策から一歩進んだ健康づくりへの取り組み,入院医療から在宅ケアの促進,かかりつけ医師の確保,インフォームド・コンセント,予防的視点に立った福祉といった,より,国民一人ひとりが主人公たるべき国民本意の保健医療サービスへと転換しつつある.
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