Japanese
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創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第1部
わが国の精神医学の曙
The Dawn of Japanese Psychiatry
岡田 靖雄
1
Yasuo Okada
1
1精神科医療史研究会
1Society of Psychiatric History
pp.275-282
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204484
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はじめに
わが国の精神科医たちは精神医学史にどう対しているのだろうか?こうとえば,歴史の重要性をとかれる方もおおいだろうが,実際に歴史についてふれられているものをみると,わが国で精神医学史の基本的事実についても共通の確認ができていないことをしばしば感じるのである。そのような共通の確認の基盤として,詳細な精神医学通史が必要なのだろう。今回の特集は最近10年間の進歩をまとめるということだが,現状では展望のようなまとめはあまり有益ではあるまい。
上記の精神医学通史のいわば素描としては,わたしが最近かいた"精神障害者の歴史"12)があるのでそれをみていただきたい。ここでは,わが国の精神医学の初期事情について,いくつかの知見をのべ,結びとして,精神医学における歴史の意義についてかんがえてみよう。
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