Japanese
English
今月の主題 小腸疾患の現況
主題
わが国における小腸疾患の現況と展望
Diseases of Small Intestine
川井 啓市
1
,
馬場 忠雄
2
,
赤坂 裕三
1
,
多田 正大
2
,
安芸 宏信
2
,
山口 希
1
K. Kawai
1
1京都府立医科大学公衆衛生学教室
2京都府立医科大学第3内科学教室
pp.145-155
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107085
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小腸は口からも肛門からもかなりの距離があり,腹腔内を上下・左右に迂回し,腸管が重なるため病変部を明確に指摘しにくいこと,また元来小腸疾患が胃や大腸に比較して頻度が低いこともあって,その診断学は他の領域に比べかなり遅れていたことは確かである.
しかし近年,これらの悪条件は各種検査法の手技の進歩,器種の開発によって改良されてきた.すなわち,まず小腸のX線検査は非常に長時間を要し,かつ得られた所見は機能的な修飾をうけて複雑,多彩で恒常性を欠く欠点があったが,造影剤の投与法や撮影法の工夫により,小腸のびまん性病変のみならず,局所病変をも明確に描出することができるようになった.また,小腸内視鏡についても器種の改良と挿入技術の向上により深部まで観察・生検も可能となってきた.
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