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シンポジウム 気分障害の生物学的研究の最新動向─DSM,ICD改訂に向けて
薬物療法からみた気分障害の症候学―DSM-ⅢからDSM-5への隘路
A Pharmacological View on Symptomatology of Mood Disorders: A narrow path from DSM-Ⅲ to DSM-5
黒木 俊秀
1
Toshihide KUROKI
1
1独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター
1National Hospital Organization Hizen Psychiatric Center, Saga, Japan
キーワード:
Antidepressant
,
Depression
,
Melancholia
,
Bipolar spectrum
,
DSM
Keyword:
Antidepressant
,
Depression
,
Melancholia
,
Bipolar spectrum
,
DSM
pp.363-372
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101845
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双極性障害の概念とリチウム―歴史的展望
1950年代に相次いで登場した各種の向精神薬は,従来の精神科医療を根底から変革するとともに,さまざまな精神疾患概念の発展にも大きな影響を与えた。とはいえ,精神薬理学の黎明期における研究者の直感的な主張がただちに学界全体に受け入れられたわけではなかった。
たとえば,オーストラリアのCadeが動物実験の過程でリチウムの抗躁作用を見いだしたのは1949年であるが,米国食品医薬品局(FDA)が躁うつ病に対するリチウムの適用を認可するまでには実に20年の歳月を要した。その間にリチウムの有効性をめぐって激しい論争が繰り広げられた。
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