Japanese
English
特集 若年性認知症をめぐる諸問題
若年性認知症の疫学調査とその問題点
Epidemiological Study on Early-onset Dementias and Its Points at Issue
朝田 隆
1
,
池島 千秋
1
Takashi ASADA
1
,
Chiaki IKEJIMA
1
1筑波大学臨床医学系精神医学
1Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
キーワード:
Early-onset dementias
,
EOD
,
Epidemiology
,
Prevalence
,
Alzheimer disease
,
Vascular dementia
Keyword:
Early-onset dementias
,
EOD
,
Epidemiology
,
Prevalence
,
Alzheimer disease
,
Vascular dementia
pp.945-952
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101501
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はじめに
いわゆる若年性認知症(EOD)とは,60歳もしくは65歳未満で発病する認知症をいう。しかしこれは通称であり,正しくは18歳以降44歳までに発症する認知症を若年期認知症と呼び,45歳以降64歳で発症するものを初老期認知症と呼ぶ5)。
近年このような病態が注目される理由は,以下の点にあると思われる。老年期の認知症と比較して,若年性認知症の当事者と家族では,経済,医療・ケア,家族の絆と,どの面をとってもきわめて深刻である1)。それにもかかわらず,この大きな課題は,ほぼ手つかずの状態だと注意が喚起されるようになったのである。
本稿では,このような若年性の認知症について,その疫学的な知見と問題点3)をまとめる。まずは,このような疫学調査の目的を述べることから論じる。
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