Japanese
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特集 若年性認知症をめぐる諸問題
若年認知症の医療上の問題点
Medical Problems of Young-onset Dementia
宮永 和夫
1
Kazuo MIYANAGA
1
1南魚沼市立ゆきぐに大和病院
1Minamiuonuma Municipal Yukiguni-Yamato Hospital, Minamiuonuma, Japan
キーワード:
Young-onset dementia
,
Common disease
,
Medical specialist
,
Informed consent
Keyword:
Young-onset dementia
,
Common disease
,
Medical specialist
,
Informed consent
pp.953-959
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101502
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はじめに
認知症の専門医は,日本老年精神医学会認定医が772人と日本認知症学会認定医が47人である(2009年7月現在)。当然両学会の認定を受けている人もいるため,総数は若干少なくなる。また,国立長寿医療センターの研修事業によって養成された全国の認知症サポーター医は600人弱存在すると報告されている。一方,厚生労働省によると,介護保険による介護度2以上の認知症者を推定して180~190万人としている(実際にはそれ以上存在すると考えられるが)。認知症サポート医も専門医に入れると,認知症専門医の総数は1,500人弱となるが,もし全国の認知症患者190万人を診ることになると,認知症専門医1人当たりの患者人数は1,200人以上となる。これは,実際のところ,困難を通り越して不可能な数字といえる。なお,NPO若年認知症サポートセンターが2004年度に調査した時点で,若年認知症の診断や治療が可能と回答のあったのは,全国で250か所ほどの医療機関だけであったことを付け加えておきたい。以下,医療上の問題点を総論と,診断と治療の各論に分けて論じてみたい。
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