Japanese
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研究と報告
痴呆性老人専門病棟を持つ精神病院の患者の実態—アルツハイマー型痴呆と血管性痴呆の比の検討を中心に
Diagnostic Analysis of Psychogeriatric In-and Outpatients in a Mental Hospital
新里 和弘
1,2
,
黒木 規臣
1,2
,
新井 哲明
2,1
,
藤嶋 敏一
1
,
加瀬 光一
1,2
,
入谷 修司
1,2
,
池田 研二
2,1
,
風祭 元
1
Kazuhiro NIIZATO
1,2
,
Noriomi KUROKI
1,2
,
Tetsuaki ARAI
2,1
,
Toshikazu FUJISHIMA
1
,
Koichi KASE
1,2
,
Shuji IRITANI
1,2
,
Kenji IKEDA
2,1
,
Hajime KAZAMATSURI
1
1東京都立松沢病院精神科
2東京都精神医学総合研究所神経病理
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Neuropathology, Tokyo Institute of Psychiatry
キーワード:
Alzheimer type dementia
,
Vascular dementia
,
Mental hospital
,
Epidemiology
Keyword:
Alzheimer type dementia
,
Vascular dementia
,
Mental hospital
,
Epidemiology
pp.1297-1302
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905101
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【抄録】痴呆性老人専門病棟を併設する精神病院において,患者の実態について診断を中心に考察した。痴呆性老人専門外来を受診した患者537名,痴呆性老人専門病棟に入院した患者272名に対して,頭部CT撮影を施行し,必要に応じてSPECT検査も併用しICD-10に準じ診断を確定した。その結果,アルツハイマー型痴呆が,血管性痴呆に対して,外来患者で3.4倍,入院患者で2.8倍という結果を得た。この値は今までに我が国で報告された疫学調査の結果に比較して極めて高いものであるが,欧米での報告にほぼ一致する値であった。我々の得た結果は痴呆性老人専門病棟を持つ精神病院の特殊性を反映したものとしてだけでは説明困難であり,画像診断を取り入れた,より正確な疫学調査の必要性を指摘するものである。
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