オピニオン 神経内科専門医の新たな認定制をめぐって
精神医学と神経学の緊密な共同作業は今後も必要である
三好 功峰
1,2
1財団法人仁明会精神衛生研究所
2前京都大学
pp.119-120
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100427
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このたび,いくつかの学会が,わが国の新しい専門医制度の中で,重要な決断を迫られた。それぞれの学会が専門医制度を持ち,自由な形で専門医(あるいは認定医)を認定してきたが,専門医を標榜することができるようにするという新しいシステムの中で,基本領域診療科(Ⅰ群:内科,小児科,精神科,外科,整形外科,眼科,耳鼻科など)と自らの学会(Ⅱ群)との関係を明らかにすることが必要となった。
日本神経学会は,新たな専門医システムの中で,基礎領域診療科(Ⅰ群)として内科を選択し,その上のsubspeciality(Ⅱ群)として神経内科専門医(これまでは神経学会認定医)をおくこととした。このシステムの中では,基本領域診療科は同時に複数の認定を受けることができないという条件があるので,たとえば,内科と小児科の専門医を兼ねることができない。精神医学においても,もし専門医制度が発足することになれば,精神科専門医と神経内科専門医を兼ねることはできない。この選択は神経学会のほとんどの会員が神経内科の医師であるという実情からすればやむをえないかもしれないが,内科以外の領域を専門とするものにとっては多少割り切れない思いを残すことになった。
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