連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
医療と福祉の共同作業
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.650
発行日 1985年7月25日
Published Date 1985/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206694
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人間の一生をつぶさにみると,まず生命が母親の胎内に宿り,やがてこの世に誕生し,両親や周囲の人たちの協力・支援のもとで乳幼児期,学齢期と成長・発達し,思春期を経て成人となり,結婚し,女性であれば,妊娠・出産・育児と,その生命の営みである社会生活を継続する過程にあって,瞬時々々に喜怒哀楽を味わいつつ,家庭を守る主役として家族の世話を一身に引きうけ,人によっては老齢の両親の世話をし,やがて自分の老後を心配することになり,文字通り「ゆりかごから墓場まで」の生涯を終える。
こうした人生の営みは,男女を問わず,人それぞれの年齢に応じた生命の原動力を湧き起こしながら,生きていることの意味を実感させる。こうして人間は,みずからの生きた「証あかし」を残して消滅していく。
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