オピニオン 神経内科専門医の新たな認定制をめぐって
日本神経学会(1902)に由来する日本の精神科医の望む神経内科専門医制
山口 成良
1
1医療法人財団松原愛育会松原病院
pp.121-123
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100428
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1902年4月に日本精神神経学会の前身である日本神経学会が創立され,機関誌神経学雑誌が創刊された1)。その発刊の辞に,「或は精神病と云ひ,或は神経病と名くるも,等しく是れ神経器官の機能障礙にして,其徴候に多少の差異あるのみ。両者の間毫も劃然たる限界の存するを認めず,中略,此に於て乎則ち同学の士に檄して専門の学会を組織し,名けて日本神経学会と云ひ,精神機能と神経系統との生理的及び病理的講究を主旨とする雑誌を発刊し,云々」とあり,学会の発足当時から日本の精神科医は,神経器官の機能障害としての精神疾患と神経疾患とをともに診ようという心構えがあったものと思われる。
内村4)もその『回顧と経験』の中で,「その気もちの中には,精神医学的神経学は,精神医学にとっても,神経学にとっても,必要欠くべからざるものだとの確信があったからである」と述べている。
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