Japanese
English
Bedside Teaching
重症大動脈弁閉鎖不全症の自然歴,弁置換手術のタイミング(その2)
Natural history of severe aortic regurgitation:When should be surgically operated?(part 2)
広沢 弘七郎
1
,
奥瀬 登代
1
,
奥瀬 倭文子
2
,
楠元 雅子
3
,
川瀬 光彦
1
,
高山 泰雄
1
,
橋本 明政
3
,
小柳 仁
3
,
諏訪 二郎
3
,
中村 恵子
3
,
藤田 直也
3
,
亀田 明
4
,
滝上 正
4
Koshichiro Hirosawa
1
,
Toyo Okuse
1
,
Shizuko Okuse
2
,
Miyako Kusumoto
3
,
Mitsuhiko Kawase
1
,
Yasuo Takayama
1
,
Akimasa Hashimoto
3
,
Hitoshi Koyanagi
3
,
Jiro Suwa
3
,
Keiko Nakamura
3
,
Naoya Fujita
3
,
Akira Kameta
4
,
Tadashi Takigami
4
1榊原記念病院
2NTT東京中央健康管理センター
3東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所
4亀田病院
1Sakakibara Memorial Hospital
2Central Health Service Center, NTT Tokyo Hospital
3The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
4Kameta Hospital
pp.1217-1224
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910061
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はじめに
前回(呼吸と循環第38巻第8号)は16歳で初診,その後内科的に経過を見ていたが39歳で急性左心不全発作が起こり,半年の間に4回発作をくり返したために40歳で大動脈弁置換と僧帽弁交連切開術を行い,その後1年順調に経過している症例について記した。この疾患が,いずれは弁置換しなければならないような相当量の逆流があっても結構20年以上にもわたって苦痛なく経過し得るものであることを示した(症例1とする)。
今回は若年時に発病し25年後に弁置換を受けることなく急性左心不全でDOA(病院到着時死亡)に近く終った例(症例2),15年後に心室性不整脈によるAdams-Stokes症候群の疑い,狭心症の発生のために生体弁置換し,一時はかなり好調であったが10年後,弁の破壊のために急性左心不全となり緊急入院→機械弁置換になった例(症例3),さらに13歳にリウマチ熱と推定される状態から弁膜症の発生まで断診されていながら50年以上苦痛なく財界人として活躍,公務も多忙にこなせた男性が66歳で左心不全発作で入院,1年6カ月後に弁置換を目前にして病状悪化のために死亡した例(症例4)について述べてみる。
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