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細菌性心内膜炎の心エコー図(UCG)は非侵襲性,反復性の利点を活かして多数報告されているが1〜8),これらを要約すると(1)弁に付着する疣贅の証明,(2) flail aortic valve2), flail mitral valve3,4)に示される弁ならびに支持組織の破壊度,(3)僧帽弁早期閉鎖にみられる血行動態の変化5)などに大別することができる。
今回著者らは細菌性心内膜炎とValsalva洞動脈瘤もしくはその破裂の合併例を3例経験した。2例はValsalva洞動脈瘤破裂に細菌性心内膜炎が合併し,大動脈弁,Valsalva洞動脈瘤壁,肺動脈弁に疣贅が付着したもの,他の1例は細菌性心膜炎に続発するValsalva洞動脈瘤であった。Valsalva洞動脈瘤は一旦破裂すると難治性心不全に陥り易く,さらに細菌性心内膜炎が合併すると重篤な経過をとるため,早急なる診断と治療が必要なことは言うまでもない。我々はUCGにて経過を追うことにより,疣贅の付着部位,弁ならびに支持組織の荒廃度を推定することができ,外科的治療を施行するにあたり,UCGはきわめて有用な検査法であった。3例の術前のUCG所見と手術所見との対比検討を行ったのでその結果を報告する。
Echocardiographic features of three patients with Sinus of Valsalva aneurysm (two cases ruptured into the right ventricular outflow tract and one case unruptured) associated with bacterial endocarditis were described.
The presence of vegetations on the aneurysm of Valsalva sinus (case I), pulmonary valve (case 2) and aortic valves (all three cases) were detected preoperatively by echocardiography and confirmed by operation.
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