Japanese
English
特集 心筋リモデリング
心筋リモデリングの予防と治療
Prevention and Medical Treatment of Ventricular Remodeling
小形 岳寛
1
,
酒井 俊
1
,
宮内 卓
1
Takehiro Ogata
1
,
Satoshi Sakai
1
,
Takashi Miyauchi
1
1筑波大学臨床医学系循環器内科
1Cardiovascular Division, Department of Internal Medicine, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.1201-1207
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902575
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はじめに
心臓は,心筋梗塞,高血圧,弁膜症などの虚血や圧・容量負荷によって心筋が傷害されると,心筋細胞の肥大,間質細胞の増殖,結合組織の増生から次第に心筋組織の立体構造が変化する.この負荷による心臓の立体構造の変化を心筋リモデリングと呼んでいる.心筋リモデリングは初期には負荷に対する代償的適応機構として働いているが,長期にわたり過剰な負荷が心筋にかかるとその代償的適応機構が破綻し,心臓の収縮,拡張機能の障害が引き起こされ心不全へと至る.そのため心筋リモデリングの形成機序を理解し,予防・治療につなげることは重要である.
本稿では心筋リモデリングに関わる因子について概説した後,それらに基づいた予防・治療を記述する.また,まだ研究レベルではあるが細胞治療,細胞移植についても最後にふれる.
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